実質賃金、物価高でマイナスに 3月0.2%減

物価の変化を踏まえた「実質賃金」が前年同月比でマイナスに転じた。厚生労働省が9日に発表した毎月勤労統計調査によると、3月は実額の名目賃金が伸びる一方、資源価格の上昇による物価高のため実質賃金は0.2%減少した。物価高が続けば、4月以降も実質賃金がマイナス圏で推移する可能性がある。

名目賃金にあたる現金給与総額は28万6567円と前年同月比で1.2%増えた。残業代などが回復した。一方で名目賃金の伸びより物価上昇が大きく、実質賃金は減少した。

実質賃金のマイナスは3カ月ぶり。名目賃金が伸びたのに実質賃金がマイナスになったのは2年4カ月ぶりとなる。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査部長は基本給を一律で引き上げるベースアップ(ベア)が小幅な伸びにとどまっていることなどを背景に「実質賃金は4月以降も1年程度はマイナスが続く」とみる。

懸念されるのは消費への影響だ。実質賃金のマイナスが続けば、足元の生活や将来への不安が高まって、消費回復の足かせになりかねない。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策などで家計の貯蓄は積み上がっているが、貯蓄を消費に回す動きも抑えられる可能性がある。

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